雷神宝剣キリンはなぜ強化できないのか

個人的なくだらない妄想です。興味がない方はスルーしてください。

とある鍛冶屋の師匠とその弟子の会話

弟子「さっきの客、何を騒いでたんです？」

師匠「雷神宝剣キリンを強化してくれってしつこかったんだよ」

弟子「師匠ならそんなこと朝飯前じゃないですか。」

師匠「だめなんだよ。組合での決まりだから」

弟子「どうせばれないから大丈夫ですよ」

師匠「雷神宝剣キリンはすでに雷属性が限界近い。 あれ以上上げたら、感電死するぞ。」

弟子「切れ味と攻撃力を上げるだけにすればいいじゃないですか。」

師匠「そういう問題じゃない。規格ってもんがあんだよ。片手剣には、厳密に重さ、強度、長さが決められてる。軽過ぎてもダメ、重すぎてもダメ。 片手剣は、片手持ちなんだからな。」

弟子「でも雷槍【ナルカミ】めちゃめちゃ長くないですか。ランスは長さけっこう バラバラですよ。」

師匠「ランスはいいんだよ。あれは、折れたりしない強度が重要だから。」

弟子「でも、バキューム」

師匠「それは、いうな。明日のお天道様が見たかったら、それ以上いっちゃあいけない。 それが組合の決まりだ。
そもそも、客にあわせてオーダーメイドで作ってたら、売りに出された武器 どうすんだよ。オーダーメイドだからだれも買やしない。いろんな店に売られた 武器は最終的にこっちに回ってくる。そうなったら、破産だぞ。」　

弟子「じゃあ、いままで中古品を新品の値段で売ってたんですか？それ詐欺じゃないですか」

師匠「全部が全部ってわけじゃない。新参モンのハンターが、ベテランハンターが 使ってた武器使うわけだから、問題ねぇ。年季が入って鍛えられてるから新品より安心なんだよ。
ハンター達はモンスターを狩ればいくらでも金がはいるから、それくらい平気なんだよ。」


--そこへ新兵器開発担当の組合長がやってくる--

組合長「何か面白そうな話をしているようじゃが、何の話をしておるんじゃ？」

師匠「こいつに雷神宝剣キリンの強化禁止について教えてたところです」

組合長「その話か・・・」

弟子「これ以上の強化は使い手を危険にするため禁止になったそうで。それで、 祭囃子・晴嵐ノ調も、片方が木槌なんですね」

組合長「ああ、それは、キリン素材の新双剣の試作品を黒猫宅配便の業者が 間違えて持って行ってしもうたからのぅ。」

弟子「はあ？」

組合長「いつ業者が引き取りに来てもいいようにカウンターに双剣の試作品をおいて おいたんじゃが、そばにあったオトモアイルー用の木槌と間違えて持っていったんじゃ。
すぐ気がついたんじゃが、いくらなんでも、気づくだろうと思っておったが、 新兵器審査会で、絶賛されてのぅ。いいだせなくなったんじゃ」

弟子「それじゃあ、雷神宝剣キリンは強化可能ってことですか？」

組合長「無論じゃ。じゃが、よいネーミングが思いつかなくてのぅ。雷神宝剣キリン 開発当初は、これ以上ない最終兵器のつもりじゃったから、あの名前にしたんじゃが、 これ以上強さを表す名前が思いつかなかった。それだけのことじゃ」

新しい武器は、意外な手違いで生み出されることがあるようです。
　　　　　　　　　　

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